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深海生物には会える?ついにオープンの神戸須磨シーワールドに潜入

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“スマスイ”の愛称で35年にわたって親しまれた神戸市立須磨海浜水族園」の跡地で建設が進められていた新水族館「神戸須磨シーワールド」が6月1日、いよいよオープンする。

“須磨シー”最大の話題はおそらく、シャチが19年ぶりに西日本にやってくることだけど、フカメディアとしては「深海生物にも出会えるのだろうか?」も、とっても気になる。その答えを求めて現地へ潜入し、見どころも探ってきました。

フカメディア的“須磨シー”ガイド

「神戸須磨シーワールド」は千葉県鴨川市にある「鴨川シーワールド」を運営するグランビスタ ホテル&リゾートが手がける水族館。展示施設は「オルカスタディアム」、「ドルフィンスタディアム」「アクアライブ」の大きく3つにゾーニングされている。

オルカスタディアム

長さ5メートル以上もある大きな身体をダイナミックに使ったパフォーマンスが見られるスタジアム。2011年から「名古屋港水族館」に貸し出しされていた野生うまれのステラ(38歳)と、ステラの娘で「鴨川シーワールド」うまれのラン(18歳)の2頭がパフォーマンスをおこなう。

収容人数およそ2500人のスタンド席からは須磨の海を一望できる。

パフォーマンスにはトレーナーとの信頼関係がなくてはならず、シャチたちの引っ越しにあわせて「鴨川シーワールド」で活躍していた名物トレーナーも須磨シーに移籍したという。パフォーマンスから垣間見える種を超えた蜜月な関係に、照れまじりにグッとくる。

今年2月に鴨シーで見た方に似てるなぁと思ったらご本人だった。

なお「神戸須磨シーワールド」の飼育スタッフによると、千葉と名古屋それぞれから移送されてきた2頭は「会った時はお互いのことが分かっていた感じだった。今もとても仲良く過ごしている」とのこと。

え?笑いかけてくれてるよね?ね?

スタジアムの1階には、さまざまな教育プログラムに利用される予定の「オルカラボ」と「オルカホール」、シャチグッズを中心としたスーベニアショップ「ブルーフラッグ」、そしてシャチを眺めながら食事ができるブッフェレストラン「ブルーオーシャン」がある。

めちゃくちゃ構えていなくても、これぐらい見れちゃう。

ドルフィンスタディアム

約1600人を収容できるスタンド席を備えた「ドルフィンスタディアム」では、かつてスマスイにいたイルカたちの一部も暮らす。

だ円形のメインプールのほか、3つのプールに13頭のイルカがいる。

イルカたちが軽々とアクロバティックな技を披露するパフォーマンスはもちろんのこと、プールに入ってイルカとふれあいながら生態が学べる体験プログラム「ドルフィンコミュニケーション」も開催される。こういうのはなんとなく、「子どもたちに向けられている」と遠慮してしまいがちだけど、大人こそ威勢よく手を挙げて参加したい。

約20分の体験は事前申し込み制で1名2,000円。安全のため年齢と身長制限あり。

1階にはスーベニアショップとレストランの「ワーフ」がある。さらにメインプールの中の様子を見られるホールが備えられているのだが、これが空間を贅沢に使っていて、なんともすごい。水中のイルカたちを眺めるためだけの横幅12メートル超えの広々としたスペース。

いくらでも滞留してくれたまえ、という気概を感じる広さ。晴れの日は格別。

水槽の前に立っていると、ヒト好きなイルカたちが気まぐれに寄ってきたりするものだから、あっさりと恋に落ちてしまうし、パフォーマンスタイムをスタジアムの音がいっさい聞こえないここで過ごせば「禅」を感じられる。

いま目ぇ合ったよね!?と、推しにファンサもらった気持ち。

アクアライブ

敷地のもっとも西側にあり、「水の一生」をテーマに構成された4階建ての展示棟。お客を迎える滝は兵庫県三木市にある黒滝を再現したもの。山に降り注いだ一滴の雨が川になり、海へと流れ込む自然環境をなぞった展示がされている。

屋内でこれほどの水量を…!とのけぞるほどの迫力と音。

スマスイにいた魚たちのほとんどが受け継がれているほか、鳴門の渦潮を再現した水槽や季節の風物詩として親しまれている「いかなご」水槽があるなど、兵庫県らしい展示が見どころ。縄張り意識の強いタコは多くの場合で単独飼育がされているが、ここでは数種類のタコが同居している。

なんというか、リアルタコ部屋。

このほかクラゲゾーンや珊瑚礁をとりまく自然環境を再現したゾーン、大型の生き物では、シロワニ、カリフォルニアアシカ、ゴマフアザラシ、マゼランペンギン、ウミガメなどが見られる。

こんな渦巻く水流の中で君たちはどう生きるのさ、という疑問に答えてくれる渦潮水槽。

たまに水槽の底に落ちてる子もいるけど、「寝てるだけ」とのこと。

レストラン

水族館ではオリジナルフードも楽しみのひとつ。施設内に全部で3つある飲食店のことも、しっかりお伝えしておきたい。各店舗で地場の食材を取り入れたメニューが提供されているのだが、食欲というものがまったく自制できなくなるほどに美味しいので心身の状態を万障お繰り合わせのうえ挑んでほしい。

「オルカスタディアム」1階のブッフェレストラン「ブルーオーシャン」では、神戸牛に但馬鶏、淡路玉ねぎ、瀬戸内しらす、六甲みそ、灘五郷の日本酒など、兵庫県の特産品を取り入れた料理やスイーツが1度では選びきれないほど並ぶ。

情緒と食欲がぶっ壊れる罪ブッフェは大人4,000円、小人2,000円、幼児1,200円(税込)。

同じく「オルカスタディアム」の2階通路部分には、ドリンクと軽食を販売するテイクアウトショップ「ポートダイナー」がある。ソフトクリームやクレープ、フローズンデザート、ホットスナックなど「ちょっと食べたい」を満たす絶妙なラインナップ。

スタッフのイチオシは黒と白ツートンカラーに尾びれチョコをトッピングした「シャチソフトクリーム」(700円)。

「ドルフィンスタディアム」1階のレストラン「ワーフ」でも、丼ものやカレー、ピザなど、みんな大好きなメニューに兵庫県の食材を使った料理が楽しめる。兵庫県加古川市の郷土料理として地元ではおなじみのカツめしもあるので、遠方からお越しの方はぜひ。

レストラン「ワーフ」はアラカルト注文のフードコート形式。

深海コーナーは、ある?ない?

さて、駆け足でひとめぐりした「神戸須磨シーワールド」のすみずみ。ここまで深海生物の話題が出ていないことに、もうとっくにお気付きかと思う。もったいぶっているわけではないのだけど、そろそろ言いにくい事実をはっきり伝えなければならない。

須磨シーに、深海生物コーナーはありませんでした。

深海生物のガチャガチャはあったよ。

関西でも太平洋側にある須磨近海の特徴を考えると、残念ではあるけどいったんは納得するしかないのかもしれない。このあたりは大阪湾と瀬戸内海に面しているのだけど、どちらも水深がとても浅いのだ。

大阪湾は平均水深が28メートルほどで、最大水深が197メートル。瀬戸内海も平均水深は38メートル、最大水深でも105メートルであることが環境省の公開データから読み取れる。ギリギリのギリでも、深海の入口・中深層にわずかに届かない。

深海環境を持たない海に面した地域では、深海生物との距離はなかなか遠い。けれども、潜入したのはグランドオープン前の5月末。まだ始まってすらいないと考えると、ポテンシャルが有り余っているとも言える。深海生物も展示したいと思っているスタッフがいることも確認しているので、これから歴史を重ねていく「神戸須磨シーワールド」を大切に見守りたい。

オープンから当面は日時予約制での入場となり、年間パス購入者もWEBから事前の日時指定が必要となる。料金やチケット・年間パスの購入方法などは、公式WEBサイトにて。

撮影:Yohei Maehata/脈 脈子

神戸須磨シーワールド
住所:兵庫県神戸市須磨区若宮町1-3-5
WEBサイト:https://www.kobesuma-seaworld.jp/

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