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まるで海のいちご?チリ・イースター島近くの深海で捉えた奇妙な生物を高画質映像で見る

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はたはたとヒレをはためかせ、時に足をスカートのように広げて奇妙な泳ぐ生物。モヤモヤと煙のようものを吐き出しているようすも見える。まるで暗幕を引いているような、ミッドナイトブルーに染まった世界。この背景から、ここが光の届かない場所だと推測できる。

先週公開されたこの映像は、チリ沖で撮影された深海でのワンシーン。イースター島まで広がるサラス・イ・ゴメス海嶺を調査している研究チームからのレポートだ。

出典:シュミット海洋研究所 Instagram

この光景を捉えたのは、シュミット海洋研究所のROV(遠隔操作型無人潜水機)「SuBastian」。テキサス大学リオグランデバレー校のエリン E. イーストン助教授が率いる研究チームがチリ沖のサラス・イ・ゴメス海嶺を調査している中で撮影された。ちなみに「SuBastian」はネバーエンディングストーリーの主人公・バスティアンに由来する。

つぶつぶとした身体から、ガラスドームが突き出たようなこの奇妙な生物の正体は、カリフォルニアシラタマイカ。見た目が似ていることから「イチゴイカ」とも呼ばれ、水深300〜800メートルほどの中層に生息する。イチゴの種のようにつぶつぶしているのは、捕食者から身を守る役目を果たす発光器だ。

そして、このイカがもっとも特徴的なのは目。手のひらサイズの身体に見合ったつぶらな右目に対して、ガラスドームのような左目はその2倍以上もある。これまでの研究で、生まれた時は左右対称なのに、成長するにつれて左目が巨大化しアシンメトリーになることが分かっている。

出典:モントレー湾水族館研究所YouTube

ライムグリーンに光る大きな左目には上を見て獲物の影を探知するレンズが備わり、右目では海底方向を見て他の生物が放つ光を探す。食糧の少ない深海で、目の機能維持にかかるエネルギーを抑え、効率的な捕食をすることに適応した進化だと考えられる。

この海域には80を超える絶滅危惧種が生息していることが分かっており、さらに新種もほぼ確実にいるとみられている。研究チームは、この豊かな海の生物多様性を40日間にわたって調査する予定で、カリフォルニアシラタマイカのような独自の進化を遂げた生物が見つかる可能性は十分に考えられる。

600メートル以浅および600~1,000メートル、1,000~1,500メートルの3つの深度でのROV 潜水によるビデオ調査とサンプリングで、深海のどんな知られざる姿が浮かび上がるのか。次のレポートを楽しみに待ちたい。


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